おてらおやつクラブ

お寺へのお供え物を賞味期限が切れる前に生活困窮世帯に供給する「おてらおやつクラブ」についてインターネットに記事が上がっていたので、考えてみたいと思います。

茨城県内移13寺参加 供え物おすそわけ 「おてらおやつクラブ」

菓子や果物 社協、児童施設に

https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15575782066070

仕組みとしては、お寺にお供えされるお菓子や果物の消費期限が切れてしまう前に「仏様のお下がり」として支援団体を通じて生活が苦しい世帯へ供給されているようです。

お寺へのお供え物は、お彼岸やお盆など特定の時期に集中してしまう傾向があるのは、お分かりいただけると思います。どうしてもそういった節目にお墓参りやお参りをするのが日本の文化なので、これは仕方の無い事なのかなと感じます。

しかし、お供えされた大量のお菓子は、お寺の家族や訪問した檀家の方々では食べきれなく、必死に食べ、おすそ分けし、それでも余ってしまったお供えについては、泣く泣く廃棄していた事情も少なからずあると思うので、とても素晴らしくそして美しい仕組みであると感じました。

この活動は奈良県田原本町にある安養寺さんから始まった活動のようでして、こうしてひとつのお寺の活動が、今や日本全国に広がっていったのは、本当に感動的でさえありますよね。

大乗仏教の究極の活動として自利利他というものがあると聞いています。

これは、自身が得た徳などを他の人々に還元するという考え方で、まさにこの「おてらおやつクラブ」こそが自利利他の精神に沿っているんではないかと強く感じました。

記事の中では、茨城県内の寺院さんの活動を紹介していまして、北茨城市大津町の大宮山長松寺さん、那珂市額田南郷の引接寺さんの活動が取り上げられていて、長松寺のご住職である中村住職は、SDGs(エスディージーズ)に関する書籍でこの「おてらおやつクラブ」の活動を知ったのだそうです。

SDGs(エスディージーズ)とは2015年に国連サミットで採択された、貧困や教育、不平等などの問題について17の目標を定めたものの総称で、中身を読むと、通り一辺倒な目標ではなく具体的な問題について具体的で数値化された目標が多くの項目で定められており、このSDGsのサイトを見るだけで、世界で起こっている問題が一体何なのかを俯瞰する事ができてしまうと感じています。

SDGs(エスディージーズ)について書かれた外務省のサイト

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html

また、引接寺の安西住職はこの活動が始まった直後から参加されているようで、やはりお供え物が余ってしまう現状に心を痛めておられた様子でして、この活動が子供たちのためになれば、と参加を決められたそうです。

子供は社会の宝、と口で言うのは簡単なのですが、実際に貧困家庭や訳あって生活が苦しい家庭などのお子さんに食事やお菓子の楽しさなどを伝えているのかと問われると、自身どれだけやっているのかな、と疑問が残ってしまいます。

それだけに、こういった無理のない範囲で善意を伝えられる活動というのは、持続可能性が高くなる必須条件ですから、この活動のすばらしさ、仕組みの美しさを感じずにはいられません。

今日は、お墓参り代行とはあまり近くない話題になってしまってすいませんでした。

しかし、ここを読んで下さっているあなたにぜひお届けしたいと強く感じましたので、この話題について書かせていただきました。

おてらおやつクラブ

https://otera-oyatsu.club/

安養寺

https://anyouji.jp/

長松寺

引接寺

http://www.injyouji.com/