老朽化した空き家マンションの問題!?

所有者全員の合意が取れず市が代執行したマンションのことがニュースになっていたので考えてみたいと思います。

合意取れず行政代執行で解体へ 老朽化激しい空き家マンション

https://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2019052302000002.html

場所は滋賀県野洲市というところです。野洲と書いて「やす」と読みます。位置的には琵琶湖の東岸で比較的南側に位置しています。

野洲市公式サイト

http://www.city.yasu.lg.jp/

老朽化したマンションは、所有者全員が同意のもと、所有者たちで解体するのが本来のルールなのですが、マンションの悪い問題が出てしまったようで、一部の所有者と連絡が取れなかったり、実態の無い会社が所有者であったり、崩壊寸前の危険な状態であると分かっていても、解体できない事態がながらく続いていたそうなのです。

以前、修繕についてでも報道されていましたが、結局、マンションの改修や解体には所有者全員の同意が必要という無茶なルールが深刻な事態を招いていると言ってもいいと思います。

既に外壁が崩れ落ち、室内が丸見えの状態になっているこのマンションを取り壊したくないと主張する所有者は最早居ないものだと思うのですが、肝心かなめの「所有者全員」と連絡が取れなければどうしようもありません。

隣接する民家もあるからと野洲市が危険と判断し、代執行を決めたこの案件、対岸の火事だと片付けるにはあまりにも深刻すぎますし、野洲市の代執行では解体とアスベストの処理もあり税金から5千万円ほど投入して解体をする手筈のようですが、何だか後味の悪い結果になってしまいそうです。

この空き家マンションは1972年築だそうです。

1972年といえば、札幌オリンピックに湧いたり、あさま山荘事件が起きたり、沖縄の返還など、日本中がざわざわとざわめいた年ですから、もう45年以上になります。

こんなに古いマンションが全くメンテナンスもされず放置されていたとしたら、その隣に住んでいるとしたら、ちょっと気分の良いものではありませんよね。

札幌オリンピックミュージアム

http://sapporo-olympicmuseum.jp/

突入せよ!「あさま山荘」事件(あさま山荘事件を取り扱った映画)

https://www.asmik-ace.co.jp/lineup/1290

返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す(沖縄返還を取り扱った映画)

http://www.henkan-movie.com/

この後、日本は様々な紆余曲折を越え、未曽有の好景気へと向かっていきます。その好景気の時に建てたマンションは、一体何棟あるのでしょうか・・・?そしてそれら全てで、大規模改修や解体について、全ての所有者の同意を得られるのでしょうか・・・?

国土交通省の推計によると、築四十年超の分譲マンションは2017年から2037年にかけて5倍に膨れ上がっていくそうです。

中には、管理組合の無い管理不全を起こしているマンションもあるそうで、これは一戸建ての空き家問題に勝るとも劣らない、複数の人が関わっているという点においては、ひょっとしたら一戸建てよりも深刻な問題ではないかと思わざるを得ませんよね。

老朽化したマンションの『終活』は問題山積みのようで、当事者の皆様はジワジワと迫ってくるタイムリミットに気が気ではないのかもしれませんね。

私たちはこうした空き家問題に何で貢献できるのか?様々考えを巡らせて、できる事をしよう、障がい者施設に所属する、働く能力はありながらも、働く機会になかなか巡り合えない利用者の皆さんに、働く機会の創出を、これからもしていきたいと考えています。