空き家相続前に考える事

実家の空き家の売却、『相続の前』に考えておくこと

という記事がインターネットにアップされていたので考えてみたいと思います。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190423-00010001-ffield-life

この記事では、空き家の売却を考えるのは早いうちから計画した方が良い、と主張しています。その根拠は、空き家の売却に特例税制(譲渡所得のうち、3,000万円までが控除される税制)が適用されるのが概ね3年間、具体的に言うと「相続開始日から3年を経過する日が属する年の12月31日までの売却」が特例税制摘要の期限であり、それ以降は認めない、という訳でして、実際この期限を過ぎてから相談に来られる方が多いのだそうです。

確かに、誰も住んでいない実家の土地建物、相続したのはいいけれど、一体どうすればいいのか・・・年に1回くらい掃除に良き、あとは「どうしたものか・・・」と考えあぐねるばかり。あっという間に3年間が過ぎてしまった、というのはよくある話なのかもしれませんね。

実際、当方で草取り監理をさせて頂いていた、似たようなケースでも、何の動きも無いまま年1回の草取り業務を3年以上続けていた事があります。(そのお客様は結局どうなったのか、それ以降の草取り作業のご依頼が無かったので分かりませんが)この法律に基づいていれば、特例税制の恩恵を受けられたのかもしれないと考えると、勿体ない事をしたのかもしれませんね。

若い方にとっては「3年って長いよね。何ら手を打てなかったのは自業自得じゃないの?」というご意見の方もいらっしゃるようですが、実際、親が1人で住んでいた家を相続する年齢ともなれば、会社や、今住んでいる地域社会で何らかの責任を少なからず多く背負っていて忙しい場合がほとんどではないのでしょうか?地域の何らかの役を慣れないながらこなしつつ、任期を終えたら・・・時間がオーバーしてしまっていた、という事も、やはり無くはないのかなと感じます。

もうひとつ重要なのは以外に売却に手間取ってしまって時間オーバーしてしまう、という問題です。

とにかく田舎の一軒家は場所によって人気にムラがあります。当社は割と田舎の、便の悪い位置にあるのですが、近隣の空き家は売れています。なぜか?交通の便が悪いと言っても自動車を所有していればそれほど不便を感じない上に、程よく田舎なため都会の下町やいわゆる一般的イメージの田舎にありがちな強固な人間関係の強要などがなく、若い世代でも快適に住める条件が揃っているからです。そうして移住した若い世代が、同年代の若い世代を呼び、地域全体の新陳代謝に成功しています。

が、その目と鼻の先の地域では、全くと言っていいほど空き家の売却が進んでおらず、深刻な問題に発展しそうになっています。

腕のいい不動産屋さんにお願いするのが一番良いのではないかとも感じるのですが、それでもなかなか難しいという話も聞きます。売りにくい場所では見込客への接触機会を増やすほかありません。

接触機会とは、できるだけ多くの、空地や空き家を買いたいな、と思っている人に土地を見てもらう事で、そのためにはパッと見だけでもいいので、空き家の外観や空き地そのものをキレイにしておく必要が有るかと思います。

売却のためにキメの細かい手を打てないならば、実際の見た目を良くしておけば、そのタイミングを拾えるチャンスも増すわけですし、売却のメリットだけでなく「あれ、この家は空き家の筈なんだけど、庭先がきれいだな・・・結構頻繁に帰ってくるのかな・・・」と泥棒等犯罪者に思わせる効果もあります。そして隣家の方々に、雑草の種が飛んで行って発芽する、庭木の枝葉が大量に隣家に落ちる、管理されていない庭にスズメバチが巣を作り、隣家の子供が刺された、などと数え上げたらきりが無い程のトラブルを回避し、ご迷惑をかける事も無くなる訳です。

空き家の売却と管理、そろそろ考える時期なのかもしれませんよ?